for Startupsには社員、契約社員、業務委託と、多様な働き方のエンジニアがいる。立場はあくまでもフラットで、雇用形態は単なる属性の一つに過ぎない。「for Startups」のビジョンの下、多様な経験と知識、技術を持つエンジニアが集い、掛け算の価値を発揮して、新しいサービスをつくりだす。その空気、環境に魅了され、パラレルに働く場の一つとしてfor Startupsを選んだ契約社員・業務委託の3人が、for Startupsの魅力と楽しさを語り尽くした。
竹内 茂(契約社員)写真右
法政大学を卒業後、ヤフーに4年半、GMO Techに4年在籍し、Webエンジニアとしてキャリアを積む。GMO Techでは開発部長を務めた。その後、幅広く経験を積むためにフリーランスに。for Startupsには2015年から参画。社歴は長く、『STARTUP DB』を前身となるプロダクトから中心となって開発、また、社内向けツールの開発を担ってきた。
松原 昌幹(契約社員)写真左
一級建築士。神戸大学大学院とフィンランドのタンペレ工科大学で建築学を学び、卒業後は組織設計事務所にて3年間、設計業務に従事。その後、Webマーケティングのスタートアップへ。設計事務所時代から建築×ITのブログを運営。これをベースに2019年1月に起業。現在はfor Startupsと自身の会社のほか、東京大学で学術支援専門職員としても活動するパラレルワーカー。
嘉手苅 整介(業務委託)写真中央
大阪市立大学で統計学を学び、新卒で大手SIerに就職。その後、不動産系ITベンチャーの株式会社iettyを経てフリーランスに。for Startups CTOの戸村がietty時代の上司だった縁で、for Startupsへ。現在は、物流系スタートアップに参画メンバーとして注力する傍ら、週一でfor Startupsの開発業務を手伝っている。
—— for Startupsに参画したきっかけや理由を教えてください。
竹内:きっかけは、GMO Tech時代の同僚がfor Startupsにいたことです。2015年のことですが、当時、for StartupsにはWebエンジニアが一人もいなくて、私がちょうどフリーランスだったので、「やってくれないか」と頼まれました。「フルでなくてもいい」ということだったので、契約社員でジョインしました。
ただ、直接的には「人がいないから」という理由ですが、当初から、ホームページの運用やサーバー、ドメインなどを見るだけでなく、サービスをつくるという話を聞いていました。それでやってみたいと思ったのです。ゼロイチでサービスづくりに関われる点は魅力で、実際に、企画段階から入り、開発したサービス、『cotobe』を立ち上げることができました。今は、発展的に終了しましたが、それを引き継いだ『STARTUP DB』も引き続き担当しています。最初から関わっているので思い入れも強く、『STARTUP DB』のサービス品質をさらに良くし、いろいろな人に見てもらうことにモチベーションを感じて、今に至っています。
松原:僕は、元は建築をやっていて、その後、Webエンジニアに転職したのですが、当時、本業の傍らで建築系とITを絡めたブログを書いていました。だんだん、ブログ経由の問い合わせや仕事の依頼などが増えてきて、正社員という働き方が難しくなったことから、フリーランスになりました。その時に、SESなども含めて働き方を探すなかで、for Startupsにも相談に来て、for Startupsでも正社員ではなく、契約社員での働き方も提案していただけたことが、ここに来たきっかけです。
魅力に感じた点は、自分たちのサービスというよりは、日本の発展に資するサービスをつくりたいという発想や、あえてターゲットを絞っている点などです。例えば、現在の主軸であるタレントエージェンシー事業も、対象を広げたほうがパイは多そうなのに、スタートアップだけに特化するのがおもしろい。今後、新しいサービスをつくるときも、何か変わったことができるのではという期待感がありました。
嘉手苅:私は、前職のiettyで戸村(for Startups CTO)と一緒に働いていました。戸村が先に辞めたのですが、いろいろとお世話にもなり、もう一度一緒に働きたいと思っていました。そうしたら、フリーランスで働いているときに戸村から誘われ、for Startupsと関わるようになりました。今はfor Startupsと、もう1社ベンチャー会社のメンバーとして働いています。それこそfor Startupsが支援するような会社です。そちらも忙しいのですが、何でfor Startupsにいるかというと、単純に楽しいから。for Startupsの人が好きだからです。今いるメンバーも好きだし、辞めた人とも緩やかにつながっているし、「人」が一番の理由かなと思います。
—— for Startupsのほかにどのような仕事をしていますか。パラレルで働く魅力なども教えてください。
松原:一つは、学術支援技術専門職員という肩書きで、大学の研究室の職員をやっています。これは建築系で、もう一つは、1月に立ち上げた自分の会社を経営しています。建築とWebエンジニアの経験を活かして、設計業務に関するITコンサルティングをやっています。
違う分野で仕事をしていると、いろいろな知識、いろいろな人とのつながりが得られます。例えば、for Startupsで得た経験を別の仕事に活かし、もう一方の仕事で出会った人とfor Startupsの接点を作るなど相乗効果があって、それはなかなか、普通の働き方では実現できないのではないかと思っています。特にfor Startupsでは、色々なスタートアップ企業の情報が毎日入ってくるので、とても刺激を受けています。
竹内:松原は、カテゴリーが異なるいろいろなことを並行してやっているので、すごいと思います。私はWebエンジニア一本ですから。ただ、Webエンジニアというカテゴリーでも、使っている言語やフレームワークは会社によって違います。いろいろな会社を見てみたい。いろいろな技術を習得したい。そう思って、フリーランスを選びました。実際に、今は複数のクライアントで、複数の技術に携われて非常に充実しています。
嘉手苅:私が並行してやっているスタートアップは、物流関連のIT企業で、簡単にいうと『Airbnb』のような倉庫スペースのシェアリングサービスです。大企業が持っている倉庫の空きスペースを効率的に活用するサービスを展開しています。先日、まとまった資金調達をしたところで、これからアクセルを踏んでいくフェーズにあります。
—— パラレルな働き方の一つとしてfor Startupsを選ぶにあたり、ビジョンも重要視しましたか?
松原:そうですね。やはり、ビジョンへの共感はベースになっていますね。僕の場合は、ちょっとした日本への嘆きもあったので。僕はよくプロダクトマネージャーのイベントに行くのですが、あるイベントで著名な企業の方が、例えば「イスラエルで投資をするなら、この会社がおもしろいよ」といった壮大な話をするのです。それが、世界に比べて日本の遅れみたいなものを感じていて、いつもモヤモヤしていました。確かに、日本のスタートアップは、海外のスタートアップに比べるとインパクトは小さいです。企業ランキングの上位に、スタートアップが並ぶ海外に対して、日本は昔ながらの企業ばかり。日本のスタートアップに盛り上がってほしいという思いは、僕も持っていて、そのお手伝いができるなら、それはまさに僕のやりたいことだと思いました。
竹内:私の場合は、代表の志水から直接ビジョンを聞けたことに感銘を受けたかな。というのも、フリーランスになる前はヤフー、GMO Techで、いわゆる大手で働いていたので、代表がどのような思いを持って働いているのか、あるいは、社員に対して、どのような思いを持って働いてほしいと考えているのか、一切、聞いたことがないし、意識したこともなかったのです。でもfor Startupsでは、来てすぐのタイミングで志水が1時間、一対一でビジョンとミッションをみっちり説明してくれました。代表が一メンバーに説明してくれたことに共感して、それに応えるだけのコミットをしようと思いました。
嘉手苅:私は元々スタートアップが好きで、だからビジョンには、自然と共感しています。ietty、今やっている物流系ITベンチャーに、for Startupsも含めれば、3社のスタートアップ経験がありますが、やはり「スタートアップで働くのは、すごく楽しいぞ」という思いがあります。もっとスタートアップで働く人を増やして、楽しく仕事ができる人が増えるといいなと、ずっと思っています。
—— それぞれの思いを持ってここにいることがわかりました。では、for Startupsで得られるものは何でしょうか。
竹内:技術的な面では、自発的にチャレンジして、知識や技術を吸収できること。ベンチャーなので、言語やフレームワークに「これを使いなさい」という決まりはありません。合理的な理由があってこの技術を使うべきだと、説明できるなら、新しいことにどんどんチャレンジできます。会社としても、数々のスタートアップを支援している以上、いろいろな技術やフレームワークがあることへの理解があり、試すことにも抵抗がない。それは、エンジニアには魅力的だと思います。
松原:普通のエンジニアが知らない経営や投資の知識も得られます。そんなことを勉強できるのも、for Startupsならではだと思います。あとは、for Startups自体もスタートアップで、会社としていろいろと整備をしているところなので、「なるほど、こうやって会社はできていくのか」ということが実地に学べます。それは、自分の会社や大学での仕事に直接的に活かすことができ、得られるものとして、とても大きいです。
嘉手苅:二つあって、一つは経験です。プロジェクトのマネジメントをやりたければ、手を挙げればできるし、新しい技術も、言えばできる。そのあたりの柔軟さはかなりあると思うので、自分のやりたいことを実現し、経験を積める環境だと思います。
もう一つは、すごい人たちの話を聞けること。先日も、DeNAの南場智子会長が来て話をしてくれました。これは、かなり特殊な経験ではないでしょうか。for Startupsにいるから得られた機会で、これは大きなメリットだと思います。
-- 今後のご自身の目標と、そこにfor Startupsの経験がどう活かされるかを教えてください。
竹内:正直に言うと、長期的な目標はあまり考えていません。私は今までも、これからもWebエンジニアとして生きていくので、技術への挑戦は継続してやっていくつもりです。少し前は、エンジニアには「35歳定年説」もありました。私はもう35歳を過ぎていますが、まだまだ現役のままでやっていたいです。そのなかで、for Startupsは、挑戦への抵抗がなく、また、松原も嘉手苅もそうですが、スキルの高い人が集まっているので、ここにいることが自分にとってプラスになると考えています。みんなでプロダクトをつくる過程で、まだまだ成長したいですし、このような環境にいられることを嬉しく思っています。
松原:僕もあまり、目標はないかな。常々思っているのは、触媒でありたいということ。僕がどこかに入ることで刺激になったり、新しいことが起こったりする存在になれたらいいと考えています。for Startupsでも、僕が入ることでプロジェクトが進んだり、僕が誰かを連れてくることで、何か新しい出来事が生まれたり、そうなれたらいいですね。for Startupsでの経験は、僕という人間の幅を広げてくれるし、また、for Startupsという場所があることで、僕が学んだことを伝える機会も広がっていると思います。
嘉手苅:私はやはり、Webエンジニアである以上、自分自身のサービスが実際に使われることが、いちばんの醍醐味だと思っています。iettyでもそうだったし、ここでも、『STARTUP DB』で、その楽しい経験をしたいです。なので『STARTUP DB』を、もっと世間に認知されるサービスに育てることが今の目標です。もう一つの物流系ITベンチャーでも、実際に倉庫スペースを提供し、ユーザーに喜んでもらえるサービスすることが目標です。そちらでは、for Startupsの経験が、そのまま全部活きると思います。
—— 今、エンジニアチームでは新しい仲間を募集しています。どんな人が向いていると思いますか。
嘉手苅:真面目で責任感があって、チームワークを大切にする人で、お酒が好きな人(笑)。
竹内:その通り。間違いないです(笑)。
嘉手苅:今のメンバーがみんな、そんな感じですよね。自律できる人が多いので、責任感を持ってどんどん進めていける人が合うと思います。「みんなで何かをやろう」という空気のチームなので、個人プレーに走るようなタイプは、ちょっと合わないかと…。
松原:付け加えるなら柔軟性のある人。結構、素直に意見を言い合う関係なので、自分の意見を貫き通そうとする人よりは、人の話を聞きながら、話を進めていける人が向いていると思います。お酒は、「飲める」というより、お酒の「場が好きな人」ですね。飲めなくても楽しめるなら大丈夫。
竹内:真面目な話をすると、堅実にサービスに取り組める人が合うのかなと思います。というのも、転職の動機の一つに、「こんなにすごいことをやっている。自分も携わりたい」という感動があると思うのです。プロダクトが技術的にすごい、見せ方がうまい、という点に惹かれる人は一定数いますよね。ただ、そのような観点では、『STARTUP DB』は、見栄えはしないかもしれません。でも実は、裏側では技術的に様々な工夫をしています。派手ではないけど堅実なサービスで、そこに真摯に取り組める人がいいと思います。サービスやプロダクトの華やかな魅力を優先する人は、ちょっと違うかもしれません。
—— 働く環境はどうでしょうか。魅力などを教えてください。
嘉手苅:大人なチームですよね。30代が多いということもあって、落ち着いて、しっかり仕事をしている。オンオフも分けて、すごくやりやすいチームだと思います。仕事中は静かで、終わったら飲みに行く、というイメージですね。
松原:みんな明るいです。いわゆるエンジニアエンジニアした感じの会社とは、雰囲気が違うかもしれません。あとは圧迫されるものがなく、伸び伸びと働ける雰囲気があります。今までの経験では、会社によっては「やらされている感」がありましたが、for Startupsには、一切ありません。みんなで話し合う機会も多く、フラットにやりとりしながら一緒につくりあげている感じがあるので、その影響かもしれません。CTOも、常にみんなを巻き込みながらやろうと意識しているように思います。
竹内:精神的な部分は、そうですね。物理的な話もすると、私は2015年からfor Startupsにいて、当時と比べるとファシリティーは劇的に改善しました。エンジニアの部屋もあり、いい椅子で、本人が希望するPCやモニターを使わせてもらっています。そこはCTOが、会社に理解を求めて、集中して仕事ができる環境を作ってくれているからだと思います。
逆に、そこで残念なのは人数が少ないこと。これだけいい環境があるのだから、本来なら、部屋を全部エンジニアとクリエイティブの人間で埋めるくらいの規模となって、一丸となってサービスをつくっていきたいところです。それは、まだできていないので、やはり採用がいちばんの課題ですね。ビジョンに共感し、この人的・物理的環境に魅力を感じてくれたら、ぜひ、仲間に加わってほしいと思います。
嘉手刈:私たちはたまたま、パラレルに働いている立場ですが、もちろん、社員として全ての時間をコミットしたほうが、サービスをつくり上げる喜び、意識は強いと思います。
竹内:それはそうですね。私は社歴こそ長いですけど、やはり、共有している時間が長い人の方が結びつきは強いと感じます。フルコミットできるなら、それはまた、私たちとは違った素晴らしい経験ができると思います。