大学4年次、村上修一はあえて内定を蹴って就活留年の道を選んだ。内定先の大手企業で働く社員が魅力的に見えなかったからだ。進学も就職活動も順風満帆に来て、初めて立ち止まった。二度目の就職活動ではスタートアップベンチャーを目指し、株式会社クラウドワークスへ。同社では精力的に働いた。しかし、次第にもっと自分にとってチャレンジできる環境はないだろうかと考えるようになる。その答えを探すために訪ねたのがfor Startups, Inc.だった。村上は、そこで天職を見つけた。
知人がfor Startups, Inc.を介して転職した縁で、村上は同社を訪ねた。「ここで、ヒューマンキャピタリストに『20代という何にでもチャレンジできる貴重な時間を過ごすのに相応しい、急成長、急拡大している環境は他にたくさんある』と言われました。その言葉にとても納得がいったのです」。最初の就職活動をした大学4年次から、形を変えながら持ち続けていたモヤモヤ感が解消した瞬間だった。村上は、自分を最もストレッチさせられる環境を、ずっと求め続けていたのだ。
両親が口にする「一流の大学から一流の会社へ」という価値観の下、系属の高校から早稲田大学に進み、大学4年次の就職活動でもレガシーな大企業から内定を得ていた。だが、何かピンと来ないまま就活留年。この時、学費を稼ぐためにスタートアップ企業でアルバイトをし、そこで初めて仕事の楽しさを知る。テレアポ、事務、提案営業、イベントと裁量を持って一人で何役もこなし、一つ一つ習得していく体験に喜びを覚えたのだ。
スタートアップ、ベンチャーというキーワードで二度目の就職活動に臨み、縁あって入社したのがクラウドソーシングのプラットフォームを展開する株式会社クラウドワークスだった。
創業社長の描く世界観や事業展開にも共感。ようやく納得づくの就職ができ2年間無我夢中で走り続けた。
…しかし、村上の心は再び揺れる。新規事業の担当に抜擢され、社外のCXOクラスのプロフェッショナル人材に多く会う機会を得て、最前線で活躍する彼らの人生に触れたことにより、新たな知的好奇心が湧いてきたのだ。「世の中には自分の知らない世界がたくさんある」と知ってしまったからだ。
転職を希望する一候補者として訪れたfor Startups, Inc.で、冒頭の言葉を得た村上。ようやく視界が開けたような感覚を覚えた。for Startups, Inc.に出会った時の高揚した気分を、村上は忘れない。刻々と変わり、スピーディーで、躍動感と将来性にあふれたスタートアップの世界。そこに身を置くことの価値。魅力的な話と共に、その場でいくつかの会社を打診された。しかし、村上が最も心を動かされたのは「いっそのこと、for Startups, Inc.に来たらどうですか」との言葉だった。翌日、すぐに10人ほどのメンバーと会い、意気投合。迷うことなく参画を決めた。
入社してからも、高揚感は続いた。「最初の一カ月は感動しまくりでした」と、村上は笑う。for Startups, Inc.には有名なアントレプレナー、ベンチャーキャピタリスト、これから伸びるスタートアップの創業者が来ては、様々な話をしていく。目の前に、今までとはまったく違う風景が広がっていた。「著名なベンチャーキャピタルの方と飲みも行きました。25歳の僕が。普通はそんなことできないですよね」と村上。彼らの素晴らしい人格にも触れ、自分もスタートアップの世界で力を尽くそうと決意した。
迷いを経て進むべき方向を見つけた村上は、「天職だと思います」と言う。今は、かつての自分のようなモヤモヤした思いを持つ人達に、この世界を知らせようと、ヒューマンキャピタリスト業務に邁進する。既に支援実績も上げている。先日は、大手商社の投資部門で活躍していた女性を、ほぼ成功が確実視されている金融事業のスタートアップに支援した。その彼女は、投資業務を通じて、実際にスタートアップの世界を見聞きしていた。それと比べ、今いる環境は成長スピードが遅く、このままでいいのかと悩んでいた。村上より遥かにビジネス経験豊富な人材だが、村上は、臆することなくスタートアップの素晴らしさやそこで実現できることを、自分自身が覚えた感動と共に伝え、彼女の背中を押した。「いい支援ができました」と、村上は手応えを感じた。
それは、まさに理想とする支援事例だった。村上は日頃、学生時代の友人と会うことも多い。「定型化された仕事に面白みがないと不満を抱えている人もいますし、定時までの時間が長いと嘆く人もいます」。村上は言う。そんな嘆きを聞くたびに、「こっちの世界に来いよ」と言いたい気持ちでいっぱいになるという。for Startups, Inc.が目指すのは、優秀な人材を成長産業に再配置し、世界で戦える強いチームを作ること。そのビジョンに深く共感しているだけに、くすぶっている若き人材がいることを、本当にもったいなく感じるのだ。
「人間、努力すれば何でもできる」が、村上の信条だ。マンモスの大手企業に潜り込みさえすれば、無難に日々を過ごして給料をもらうことも可能だろう。でも、「それでいいのか」という思いが、村上にはある。大手とは対照的に、「スタートアップには100%、いや120%、150%と努力すればするほど、目に見えた結果が返ってくる環境がある」と村上。一人一人がストレッチすることで日本を元気にし、日本の競争優位性を上げたい。これがfor Startups, Inc.のビジョンと重なる村上の思いだ。
商社の女性の事例のように、村上は、成長産業に優秀な人材を、特に若手を投入したい考えだ。伸びしろのある若手の加入は、企業成長の原動力となる。また、人材の側も、若ければ、スタートアップで得た濃密な経験を、再び新たな挑戦の場へと還元する機会もあるだろう。旅立った若手と古巣の会社がタッグを組み、さらなるビジネスが生まれるかもしれない。若いうちからスタートアップへという機運を醸成することで、企業と人の様々な可能性を引き出したい。それが、村上の実現したいことだ。一つでも多くの支援事例を作ることで、そのようなエコシステムのサイクルを作りあげていく考えだ。
そのような思いを持つ村上にとって、for Startups, Inc.の立ち位置は理想的だ。自分自身がスタートアップに参画しても、貢献できるのは、その1社だけだ。for Startups, Inc.なら一歩離れ、人という側面から支援することで、間接的により多くのスタートアップに影響を及ぼすことができる。また、「for Startups」というビジョンのもと、村上はその他の支援方法の可能性についても様々なアイデアを考えている。例えば、支援先のスタートアップにメンバーとして参加し、自らの経験を活かして、スタート時の垂直立ち上げに貢献するような動き方もいずれは可能だろう。 for Startups, Inc.は、実におもしろく、絶妙な立ち位置と言えるだろう。
また、入社したばかりの新鮮な目で見渡すと、社内にもやりたいことや改善したいことはある。例えば、ITの会社であるクラウドワークスにいた村上には、IT化したら効率的になると感じられるプロセスやポイントも多い。「前職の経験から、テクノロジーの力で売上を伸ばせると理解しています。人が増えても足し算でしか売上は増えませんが、テクノロジーなら掛け算で増えます。まだプロダクトレベルで具体化しているわけではありませんが、エンジニアチームの充実と、テクノロジー企業へのシフトに貢献していきたいです」。村上のもう一つの夢だ。
for Startups, Inc.は、このような意見を言うことに社歴も、社会人経験も、年齢も関係ない。また技術力と企画力、推進力を兼ね備える優秀な人材が多数いて、良きアイデアはどんどん実現できる。この柔軟さと互いを尊敬しあう気風も魅力だ。信条は努力。「コツコツと積み上げる人、最後の最後まで目標達成のための努力ができる人が、最もパフォーマンスを発揮できるのではないでしょうか」と村上。自分もそうありたいし、これから入る人にも、そうあってほしい。120%以上の努力と成長を実現できる仲間の参画を待っている。