時価総額1,500億円超の大型上場は一つの通過点 日本を代表する企業へ。タイミー×フォースタートアップスの挑戦

2024-10-23
Executive Interview
時価総額1,500億円超の大型上場は一つの通過点 日本を代表する企業へ。タイミー×フォースタートアップスの挑戦

社内カンパニーを経て、2016年9月に創業したフォースタートアップス株式会社。これまでスタートアップ企業に累計1,200人を超えるCxO・経営幹部層をご支援することで、日本の再成長を担う成長産業支援を推進してきました。入社後、キーマンとなった彼らが活躍し、爆発的な成長を成し遂げたチームは少なくありません。創業から8年経った現在、そのように支援した数々のチームが上場企業やユニコーン企業になっています。

その一つが2024年7月26日、時価総額1,500億円超で東証グロース市場に上場した株式会社タイミーです。「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに、スキマバイトサービス「タイミー」を展開。スポットワークという新しい市場を創出し、瞬く間に登録ワーカー数900万人・利用事業所数29.7万社(2024年9月時点)の巨大プラットフォームに成長しました。タイミーにとって上場は一つの通過点であり、「スポットワーク」が社会的認知を得るための手段。今後、社会に不可欠な『はたらく』インフラとして、さらなるサービス拡大を図っていきます。

そんなタイミーにシリーズBの頃から伴走してきたフォースタートアップス。これからも、日本を代表する企業へと成長する道のりをともに歩んでいきます。主にPre-IPO企業を支援してきたフォースタートアップスにとっても新たな挑戦となります。タイミー創業者で代表取締役 小川 嶺 氏、取締役CFO 八木 智昭 氏と、フォースタートアップス代表取締役社長 志水 雄一郎、取締役副社長 恒田 有希子の4人が、これまでの歩みとこれからについて語りました。

株式会社タイミー
代表取締役 小川 嶺 氏
取締役CFO 八木 智昭 氏

フォースタートアップス株式会社
代表取締役社長  志水 雄一郎
取締役副社長   恒田 有希子

人手不足解消から売上を最大化するツールへ。『タイミー』フェーズ2始動

▲株式会社タイミー 代表取締役 小川 嶺 氏

――2024年7月26日、東証グロース市場に新規上場されました。今の心境をお聞かせください。

小川:多くの方に支えられて、非常に順調にここまで来られたかなと思います。もちろん、コロナなど様々な逆境はありましたが、非常に高い成長率を維持しながら上場できたことはよかったです。上場したことで、より多くの方に『タイミー』というサービスを知っていただけて、スポットワークは邪道なものではない、ちゃんと社会的な信用を得られたものなのだとプレゼンスが上がったのではないかと思っています。

タイミーとしてはここからが第2創業期。スキマバイトサービスで人手不足の問題に立ち向かったフェーズ1から、次のフェーズ2へ行くのだと社員とも話しているところで、今、非常にワクワクしています。同時に、やらなければいけないこともたくさんあると実感しているところです。

八木:私は、上場そのものについてはあまり実感がありません。6月24日から2週間ほど、上場時のロードショーを行って、これまでやってきたことや現在の状況、そしてこれからの展開などを投資家に向けて説明してきました。ずっと言い続けている内容ですが、上場した以上、改めてこれを本当に実現しなくてはいけないのだという責任感を強く感じるようになりました。

※上場承認を受けた後、株式公開の前に機関投資家に向けて行う説明会

――八木さんは初期の頃にフォースタートアップスを経由して入社されたのですね。

八木:はい。入社は2020年12月です。そのとき私は35歳。小川とは一回り違います。飲みの席などでメンバーの若さにカルチャーショックを受けることはありましたが、未来の日本の人口構造に適した『はたらく』インフラをつくることが、自分にとって大きな入社動機だったので、特に気にはなりませんでした。「インフラをつくる」というその想いは、最初にフォースタさんからタイミーの話を聞いたときから今に至るまで変わっていません。振り返ると入社当時は本当にゼロスタートのフェーズ。この成長率なので基本的には走りながらどんどん仲間を集め、そこから組織を速いスピードで変えていくようなことをひたすらやってきました。

――フォースタートアップスからは、タイミー様の歩みはどのように見えていましたか。

恒田:八木さんをお引き合わせた頃はコロナ禍で、タイミーさんは、メインのお客様の業界を飲食から物流やそのほかの業種へと広げているタイミングだったと思います。とはいえ厳しい時期で、『タイミー』を開くと倉庫の仕事しか目につかないような状況でした。苦しかったと思うのですが、当時から小川さんは「1兆円企業をつくるぞ」と仰られていました。ピンチのときほど明るいことを発信し、どんなときも攻めの姿勢を崩さなかったことに強烈なリーダーシップを感じました。そこに私は、本当にこのチームは大きくなると感じましたし、もっともっと私たちも魂を込めて支援をしなければと覚悟を決めたことを思い出します。

その後、特に直近2~3年で成長スピードは一気に加速しています。この1年間でも数百人を採用されていて、スタートアップの中でも恐らくナンバーワンの採用力。質、量ともに本当にものすごいスピードで大きくなられています。

――事業も大きく広がってきています。その辺りもお聞かせください。

小川:そうですね。「すぐ働ける」というサービスで、働き手に困っている企業さんが『タイミー』に募集を出せば何とかなるということを、ごく限られた業種で展開していたのが2020年~2021年です。そこから3年余りで、本当に業種は多岐にわたりました。飲食、小売、物流だけでなくホテル、介護、保育、製造業と様々で、エリアも47都道府県へ。離島でも使えるようになりました。我々が目指してきた『はたらく』インフラという点では、もう全国、全業種で使えるところまで進化しました。それは営業上の努力だけではなく、プロダクトの磨き込みなども進めながら実現したことです。それだけ会社として厚みが出たということであり、ミッションの体現にも近づけていると思います。

この人手不足を救うことが『タイミー』のフェーズ1とすると、次はお客様の経営課題の解決に伴走する手段となるフェーズ2に行かなければいけないと考えています。クライアントさんと向き合うなかで、人手不足だけではなく、円安、物価高、人を雇うお金が足りないなどの様々な課題について声をもらいました。ピンポイントで人を入れることで売上機会の損失を防ぐのがフェーズ1。でも、もしそこにより適したスキルを持つ人材が入れば売上を最大化できるはずです。これがフェーズ2。

すでにBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の手段として、『タイミー』がどの部分なら使えてどの部分は使えないのか、クライアント各社ごとのマニュアルをつくるところまでオペレーションに入り込んでいます。この3~4年の進化は、クライアントさんと対話を重ねるなかでどのようなニーズに見合うサービスであるべきかを突き詰め、経営戦略として全社で共有されてきたもの。そうすることであらゆる業種に広がっていきます。その流れがしっかりできるようになったことが、進化の裏にある大きな話かと思います。

※業務本来の目的に向かって、既存の組織や制度を抜本的に見直し、プロセスの視点で、職務、業務フロー、管理機構、情報システムをデザインしなおすこと。

パラダイムシフトを起こした『タイミー』。事業戦略を理解して最適な人材を支援

▲株式会社タイミー 取締役CFO 八木 智昭 氏

――志水さんの目から見たタイミー様はどのような存在でしょう。

志水:小川さんの原体験から見出されたペインと、今後より深刻化する人手不足という社会課題、そして時代の変化と働き手、雇用側のニーズの変化を捉えながら、今までなかった「スポットワーク」と言う新しいマーケットを生み出し、「はたらく」にパラダイムシフトを起こしています

そのような唯一無二の企業であるタイミーさんに対して、フォースタが優秀な人材を紹介することは当たり前です。私たちもその次へ、どのようにタイミーさんの事業戦略を深く理解し、伸ばすことができるかというところに取り組まなくてはいけません。一緒にどう事業をつくっていくか、そこまで踏み込んでともに次の時代をつくることに挑戦することが、フェーズ2を迎えたタイミーさんとフォースタの関係だと思っています。私たちにとっても新たな挑戦です。

これまでの話で言うと、2022年11月にインタビューをさせていただいているのですが、そのときは延べ65名の支援実績でした。そこから約2年で57名を支援しているので、御社の事業成長のシェアとしてはそれなりに高いのではないでしょうか…

※2022年11月に実施したインタビュー記事は下記URLをご覧ください
https://www.forstartups.com/challengers/timee202212

小川:高いです!

志水:ですよね。もっと言うと、フォースタ全体では月1,000名以上の本当に優秀な人材にお会いできています。だとしたら、タイミーさんの事業をもっと深く理解すれば、その上で提案できることもあるでしょうし、具体的な事業戦略について「この方なら実現できるのでは」とか、「私たちはこういう事業ができるから一緒にやりましょう」といった提案をするソリューションへと私たちは転換していかないといけません。ともに未来をつくるパートナーとして肩を組むポイントを、お互いの強みやお互いの未来の成長戦略と組み合わせてつくれれば、最高のパートナー、一緒に前に進んでいく仲間として認めてもらえるかなと思っています。

小川:実際、これまでにも志水さんがMessengerで直接、「この方はどうですか」と相当にハイレベルな方を打診してくださることがありましたよね。担当のチームメンバーだけでなく社長自らが。普通のエージェントではあり得ないことです。「こういう人が入ったら、もっと経営が変わっていくんじゃないの?」と、常にそのような目線でいてくれることは非常に嬉しく思います。

そうやって今、正社員1,000名弱のうち総勢122名、率にして10%以上の方々がフォースタさんを経由して我々の仲間になってくれました。しかも全員がキーマン。本当に素晴らしい人材をご紹介いただいています。この方々の活躍のおかげで上場につながったと思っています。というのも、今おっしゃったように、やはり戦略は人ありきの部分が大きいからです。誰にこの事業を任せるかというとき、モチベーション高く、「入社したらタイミーをもっともっと成長させたい」という気持ちのある人が入ってきてくれたら、そのような人にミッションを渡したいですし、実際そうしてきました。

直近では、フォースタさんからご支援いただいた事業戦略のメンバーがものすごいキーマンになっています。あえて既存事業にはアサインしていません。自ら未来の成長戦略を描き、推進するところまでを気概をもってやってくれています。このような人がいるから、非連続的な成長に向けた投資もできる。会社が気づけていないポジション、あったらいいけど今ではないと思っているポジションに、オープンポジションで素晴らしい方が来てくれたとき、「この方が来るならこれもできる」と点と点が結ばれて線になります。この流れができてくると様々なイノベーションが起きるので、今までもこれからもそのような採用を、フォースタさんとともにできればと思っています。

キーマンの入社で新しい事業が動き出す。日本の未来につながる組織づくり

▲フォースタートアップス株式会社 取締役副社長 恒田 有希子

――志水さん自らメッセージを送るのですね。

志水:はい。やはり、タイミーという企業、そこが生み出すインフラの価値を考えたとき、その先に続く道のりは当然、小川さんもタイミーさんも未体験なわけです。その未体験のゾーンにどのような人的資源が必要か。一方で私たちにとっては、ほかのクライアント企業で体験した課題であり、その解決策を再現すればいい。たとえ事業モデルが違っても、組織の成長過程では同じような課題が必ず生まれるので、その課題にミートできる人材をどうご紹介するかという問題になるのです。

極端なことを言うと、タイミーさんより大きな企業の社長でさえ紹介します。なぜなら、いずれタイミーさんはそこ以上の企業になる可能性があるから。そのストーリーを理解し、プロセスを理解している人が仲間となってともに戦う意思を持つことは、誰のためになるかと言えば、社会のためであり、日本の未来のためでもあるからです。

恒田:まさにそれです。私たちヒューマンキャピタリストは、入社していただくまでが仕事ではありません。もちろん、ご支援して入社が決定すると嬉しいのですが、入社後にどれだけ活躍されるかが大事。一昨年の話ですが、八木さんが運転資金として大型のデットファイナンスを実行し、業界でも大きなニュースになりました。『タイミー』のスキーム上、ワーカーさんへの支払いが先行するので、急激な事業成長に伴って運転資金も急激に増大します。その部分を銀行からの借り入れで、しかも無担保無保証低金利で調達しました。

これは八木さんでないとできなかったと思います。ニュースを見たとき、思わず社内でガッポーズをしました。これはタイミーさんにとって成長を加速させるエポックメイキングな出来事に違いありません。それを、私たちが支援した八木さんが実行したんだと。私たちが常々掲げている、スタートアップのビジョン実現ための支援ができたと実感し、本当にこの仕事をしていてよかったと思いました。

八木:ありがとうございます。ただ、私にとってはあくまでも事業成長の一手段でしかありません。デットファイナンスをやったとか、いくら調達したとかは正直に言うとどうでもいい。入社時に誓った『はたらく』インフラをいかに早くつくり、ワーカーさんやクライアントさんに届けられるかが私のミッションなので、そのためには他の方ができないこと、躊躇することも粛々とやるだけです。

志水:急成長するということは、その反動でたくさんの課題をクリアする必要があります。これだけの成長を続けるには、あらゆる負荷がかかるはず。小川さんは社長なので前に進める役回りだと思いますが、後ろで守備をかため、課題解決をしている八木さんがおられるからこのチームは成立していると認識しています。本当にいいコンビだと。

小川:そうですね。取締役はこの2人だけですが、いい意味も悪い意味も含めてタイプはまったく違う。根本のタイミーがどうあるべきかというところは一致しているのですが、気になる箇所が違います。八木は数字。少しの違和感もCFO目線で逃さない。自分は定性面で、カルチャーや直感に近いところで気になる部分が出て来ます。この2人が合わさると最強で、あらゆる観点が網羅されたものが出て来るので、ほかの執行役員や部長は大変だと思いますが、組織としてはすごく健全な状況をつくれていますね。

何人も何人も会って、八木が来てくれて本当によかった。ほかにもCSのトップやプロダクトマネージャーに事業戦略も営業も、本当に重要なポジションのメンバーをそろえてもらいました。みんな素晴らしい人材です。しかもみんな、入ったときと比べて3倍くらいの大きなミッションを持っている。それだけ会社の成長スピードが速いということです。

八木:その通りですね。タイミーはすごい速さで成長していることに加えて、既存の人材ビジネスではない新しいサービスインフラをつくっているので、解がないなかで自分の持っている武器をもとにやり方を自ら見つけ、走りながら解決していく。私もそうです。みなさん前職でやってきたことを活かして、でもそこにとらわれることはなく、すごく会社に貢献している。改めて実感するところです。

――これだけ重要な人材をご支援しているのはフォースタートアップスだけでしょうか。

小川:はい。もちろんです。

恒田:しかしそれを、当社のメンバーは楽しんでやっています。日頃からタイミーさんの周年や、タイミーさんが居酒屋出しますとか、そういったタイミングで必ず「お祝いさせて欲しい」と申し出があります。さらには、タイミーチームのメンバーが1日、ワーカー体験をしに行ったこともありました。最初のメンバーは朝から倉庫バイト、現在のメンバーは夜、カラオケ店舗で。それを業務と捉えるのではなく、楽しいイベントとしてやっているのです。

※アルバイト全員がスポットワーカーの居酒屋『THE 赤提灯』https://the-akachochin.timee.co.jp/

窓口としてタイミーチームはありますが、社内にはほかにもタイミーさんを応援したいメンバーが多くいます。それはやはり、小川さんに経営者としての魅力があるからで、より多くのリソースを巻き込んでいると感じています。

小川:一時期、フォースタ内で支援人数がトップになりましたよね。

恒田:はい。あの時はすごい勢いで、1位でした。

小川:中間集計で「今のところ2位です」とか「1位になりました」とか逐一連絡が来て…

一同:爆笑

小川:こっちも「いや、それは1位とらなあかんやろ」と(笑)

自分も何事も負けず嫌いなので。タイミー社を担当してくださっている方だけで1位を獲るのは難しいので、フォースタさんの全員に参加してもらえる工夫をしました。例えば素晴らしい候補者の方がいたら、選択肢の一つにタイミーを入れてもらえるようにする。巡り巡ってタイミーの決定数も変わって来るので、より多くのフォースタメンバーの方にタイミーを理解してもらえるように、こちらも一生懸命発信しました。

やはり、フォースタさんに頑張ってほしいという期待はありつつ、クライアント側としてもしっかり目線を合わせて、どうしたらタイミーを選んでもらえるかと考えることが非常に重要です。実際にそうやって300人から600人、800人、1,000人となる急成長のタイミングを、フォースタさんと一緒に乗り切ってきました。やはり、組織をたくさん見ているフォースタさんを巻き込んで組織をデザインできたことは非常によかったと思います。

タイミー×フォースタートアップス。ただの「支援」にとどまらない強力タッグで頂点を目指す

▲フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長 志水 雄一郎

――改めて今後の事業展望、課題などを教えてください。

小川:エリアと業種を広げることが第一ですが、業種を広げることは簡単ではありません。飲食店と製造業のラインとでは、働き手と事業者様のマッチングにおいての感覚もやはりまったく異なります。また、その業界に長けている人材も必要です。例えば介護に長けている、あるいは「介護業界を何とかしたい」という想いがある人などです。営業担当はその業界への想いがないと先方企業様に伝わらないと思うので、各業界に対する熱い想いとスペシャリティを持った方に入ってきてほしいと思います。

これから業界が広がり、事業規模が大きくなるにつれてゼネラリストからスペシャリストへの転換が起きてくるのではないかと思います。スーパーマーケット、物流、介護、ホテル、製造業、イベントなど様々な業種がこれから非常に伸びてくると見込んでいます。そのような業界に思いを持つ方に仲間になってもらい、伸ばしていくことが短期的な事業戦略となります。

もう一つ、注力していくのはビジネスデベロップメント。『タイミー』はすでに900万働き手の方々と29.7万の事業者様に使っていただいているサービスで、あらゆる業種業態を網羅しています。このアセットをどう利活用して非連続的な成長を実現するか。これを考えるのは非常におもしろいと思うので、事業開発をやりたいという方にもぜひ入ってほしいですね。先ほどの話と重なりますが、人と戦略ありきで新しい事業が生まれてくるので、このようなことをこれから実現できてくると非常にいいですね。

八木:そうですね。私の立場では、上場時に示した成長ストーリーをしっかりと軸に据えて展開していくことが第一ですが、事業自体はよりブラッシュアップした形に変わるかもしれません。それは社内で考えるというよりはお客様との対話を通じて、社外のステークホルダーの方々のご意見を頂戴しながら戦略をより研ぎ澄ませていきたいと考えています。

――最後にフォースタートアップスからも今後に向けた決意をお願いします。

志水:我々にとっても、「上場後」をどう支えるかは次のテーマとなります。当然、これまでのようには内部情報を語れなくなりますし、ディープなお付き合いが難しくなるなかで、どのような付き合いのあり方が最適なのか。同時に両社とも上場企業で、業界内でもリーダーの立場にあるこの2社が組み合わさったときに何ができるのか。それは支援なのか共同事業なのか。このようなことをお互いに創造できる関係にどう移行するか。こういったことが重要だと思っています。

とはいえ私たちの根幹の価値は、やはりPre-IPOからの支援。Pre-IPOのマーケットを育成することで裾野を広げ、産官学民と連携しながら誰かを勝たせにいくことで次なるソニー、次なるトヨタを生もうとしてきました。タイミーさんはその有望な一社です。小川さんにはここから長い人生があり、タイミーさんにはもっと大きくなれるストーリーがあるはずです。次なるソニー、次なるトヨタになる挑戦権を、今回のIPOで獲得されたと思っています。ここから先が私たちの次なる挑戦です。

私たちが、タイミーさんの時価総額1,500億円超でのIPOを支えてきたのは事実です。次に目指すのはここから日本を代表する企業、日本の競争力の源泉となる企業にまで引き上げること。今までと同じ、ただの支援者では終わりません。私たちの存在意義は上場企業をたくさん生むことではなく、次の日本の競争力を生み出す企業の成長に伴走することですから。その試金石がタイミーさんです。

ここからは、私たちにとっても未体験ゾーンです。それが人材支援なのか、一緒に事業をつくり出していくことなのか。これは私たち双方経営陣でコミュニケーションをしながら生み出していくものですが、フォースタにはフォースタの仲間がいるので、一丸となってしっかりとタイミーさんの事業戦略、未来の可能性を信じ、それをどう支援するかということに挑戦し続けたいと思います。

(取材・文:山田 雅子 写真:塩川 雄也)

CFO 八木 智昭氏の個別インタビューEVANGE #109は下記URLからご覧ください。

https://www.evange.jp/articles/tomoaki-yagi-2

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