社内カンパニーを経て、2016年9月に創業したフォースタートアップス株式会社。これまでスタートアップ各社に200人を超えるCXOをはじめあまたの人材を紹介することで、日本の再成長を担う成長産業を支援してきました。入社後、キーパーソンとなった人材が活躍し、爆発的な成長を成し遂げたチームは少なくありません。創業から約6年経った現在、そのように支援した数々のチームが今後も成長しつづける期待が非常に高い企業となっています。
今回、紹介するのはその1つ、保育・育児関連の社会課題解決を目指す「Childcare-Tech」領域のスタートアップ、ユニファ株式会社です。「家族の幸せを生み出すあたらしい社会インフラを世界中で創り出す」をパーパス(存在意義)に掲げ、IoTやAIを活用した保育支援サービス『ルクミー』を展開しています。2017年に世界中のスタートアップが集うStartup World Cupにて、約10,000社の中から初代チャンピオンに選出されたほか、数々の受賞歴を誇り、ESG・インパクト投資の観点から国内外の投資家からも注目される存在です。
代表取締役CEOの土岐泰之氏は、世界中の家族を幸せにしようと決意し、輝かしいキャリアをリセットして2013年にユニファを創業。以後、右肩上がりの成長をつづけています。取締役CFOの星直人氏は、子どもにより誇れる仕事をするために2019年に投資銀行からユニファに転じました。両氏と弊社ヒューマンキャピタリストの清水美保の3人が、これまでの歩みとこれからについて語り合います。
ユニファ株式会社
代表取締役 CEO 土岐 泰之 氏
取締役 CFO 星 直人 氏
フォースタートアップス株式会社
タレントエージェンシー本部 シニアヒューマンキャピタリスト兼マネージャー
清水 美保
星CFOの参画を機にユニファ×フォースタのタッグがスタート
▲フォースタートアップス株式会社 タレントエージェンシー本部 シニアヒューマンキャピタリスト兼マネージャー
—— フォースタと土岐さん、星さんの出会いと、その頃の様子を教えてください。
清水:2018年3月に前任者から担当を引き継ぎ、そのタイミングで人事の方々にお会いしたのが、私とユニファさんとの最初の出会いです。お伺いしたとき、エントランスに『Startup World Cup』の優勝トロフィーが飾ってあって、帰って調べたら、世界中からスタートアップが集まるグローバルピッチコンテスト・カンファレンスでした。2017年が初回開催で、その初代優勝者が日本のユニファさんでした。「この会社はすごい」と思ったのと、私自身も子どもがいるので、テクノロジーの力で家族の温かいコミュニケーションをつくるという想いにも共感し、素敵な会社だと感じたのが第一印象でした。
今では、世界中からスタートアップがエントリーして通過率2.5%のEndeavorというグローバルの起業家ネットワークにも採択され、グローバルのグロースファンドから資金調達されるなど、国内トップクラスの社会課題解決型スタートアップになっています。
土岐・星:すごい詳しいですね(笑)。
清水:もちろんです(笑)。しかし当時は、私自身はご支援したいけれども、社内ではチャイルドケアテック領域に対する理解が進まず、どのようにご支援したらいいかと迷ってもいました。そうしているうちに、弊社のヒューマンキャピタリストから、ユニファさんに新しくCFOの方が入ったと聞きました。それが星さん。ユニファさんを好きで、採用定例を行っていたのに、その求人すら知らなかったことがとてもショックでした。
それはひとえに、私が代表の土岐さんにお会いできていなかったからです。CFOなど経営層の求人は、経営者の方の頭の中にある課題から生まれるもので、私はそこにアクセスできていなかったのです。悔しさと申し訳ない思いがこみ上げ、何とか星さんをご紹介いただき、お入りになったばかりで本当にお忙しいなか、30分だけお時間を頂戴しました。当時、すごく緊張しながら会いに行ったことをよく覚えています。
▲ユニファ株式会社 取締役 CFO 星 直人 氏
星:あのときは結局、後ろの予定を調整して30分を1時間に延ばしたんですよね。お話するなかで、僕も「ここは、弊社をより良く理解してもらうために大事なタイミングだ」と思ったのです。
というのも、私の入社当時から人材の採用が非常に大きい経営課題の1つと認識していたので、出来るだけエージェントの方々とは直接お会いして、自分の言葉でどのような考え方なのかをお伝えしようと思っていたからです。その上で、人間関係・信頼関係をつくることが非常に重要だと考えていました。
ただ、当時からフォースタさんは有名で、名だたるスタートアップをご支援されていたので、私の勝手なイメージで「ウチみたいなまだまだ小さな会社にはフォーカスしてくれないのでは」という先入観があったのです。そうしたら、イメージとはまったく違う清水さんが来ました。ユニファ社員に負けないくらいユニファを愛しているような熱い想いを感じとり、ならば私の考えをしっかり伝えたほうがいいと思い、予定の時間を延ばしました。
▲ユニファ株式会社 代表取締役 CEO 土岐 泰之 氏
—— 星さんが入る前は、経営層がエージェントと会う機会はなかったのですか?
土岐:そうですね。社外にそのように考えや戦略を伝えることが、私はあまり得意ではないのと、事業面にフォーカスしていたので、二の次になってしまっていました。たとえば当時のウチの会社のホームページも創業期からそのままで、写真も素朴な感じで(笑)。慣れていなかったのです。正しいことをしているという自負はとてもあり、保育の現場と向き合うことはしっかりやっていたのですが、労働市場と向き合うことは、星の参画で加速しました。
清水:そうお聞きすると、こちらからお話をしに行っていなかったことを本当に申し訳なく思います。
星:お会いする前は、清水さんがこんなにユニファを好きでいてくれたとはまったく知らなくて。嬉しいサプライズでした。
勉強会を開催。創業ストーリーに全フォースタメンバーが共感
—— 初対面の日、時間を延長してどのような思いを伝えたのですか。
星:2つあります。1つは、まさに当社の課題だった認知の部分。清水さんが当社に来て、初めてウチが『Startup World Cup』の優勝会社だと知る。これがまず非常にもったいないことです。ビジネス的にも可能性があるから世界の1万社の中の1位になったのに、これほど認知されていない。保育施設向けのサービスに留まらず、その先のご家族へと広がる当社のビジネスを、ちゃんとお伝えしないといけないと思いました。
2つ目が、その上で我々がどのような人材を求めているのか。我々は社会課題解決型のスタートアップなので、パーパス(存在意義)への共感、事業への想いが非常に重要です。とはいえ、想いだけでも会社は成長しません。社会貢献と経済性の両立を一緒に目指すことができる人材が必要と考え、それをお伝えし、清水さんと目線合わせをする必要がありました。
清水:その日は、いろいろなお話をしました。私がフォースタのビジョンや、なぜ私たちが成長産業支援をしていて、そのなかでなぜユニファさんを支援したいのかと話す。すると、星さんもお嬢さんに誇れる仕事をしたくてユニファに入ったことなどを話してくれて、非常に共感した1時間でした。その場で、土岐さんと星さんのおふたりで、フォースタに勉強会に行くともおっしゃっていただきました。
勉強会が実現したのは、2019年10月。そこからです。フォースタ内に一気にユニファさんのファンが増えたのは。それまでは孤軍奮闘で、1人で旗を振っているような状態でした。社内ではよく、「ユニファさんっていいことをやっているのはわかるけど、成長性はあるの?」と聞かれていました。「ビジネス的にも大きなポテンシャルがあるよ」とは言えず、「意義深いビジネスだからニーズは絶対にある」と言いつづけていました。ようやく、ビジネスも含めて社内の理解が深まったのが、あの勉強会でした。
勉強会では事業のことはもちろん、土岐さんがどのような思いでユニファを始め、星さんはどのような思いで参画したのか、その創業ストーリーや思いを聞けて、共感できたことが大きかったと思います。きっかけは、このプレゼンテーションでした。
—— 土岐さんはどのような思いで勉強会に参加されましたか。
土岐:まず、あのような形で勉強会を開いていただいたのがはじめてでした。どんな感じかと思ったら、オフィス空間を丸ごと使ってみんなで聞いてくれて、話し終わると我先に「質問!ハイ!」みたいな空気で(笑)。
すごくアクティブに質問もいただけて、話が終わると「名刺交換しましょう」と本当にたくさんのヒューマンキャピタリストの方が来てくれました。しかも、名刺交換しながら「家族に保育士がいるので共感しました」「素敵な方がいるんです」とどんどん話しかけてくる。この熱量やアグレッシブさが素敵だなと思いました。我々の思いを受けとめた上で、リアクションがすごくて、改めて一緒にやっていきたいと強く思った瞬間でした。
星:僕にとってもポジティブサプライズでした。1つは熱量、もう1つはスタートアップへの解像度の高さの2点で。
熱量は、フォースタートアップスの社名の通り、本当にスタートアップへの貢献にコミットしていることがわかりました。僕らも仕事柄、数多くのエージェントさんとつきあい、いろいろな人とお話しているので、そこは敏感に感じ取れます。フォースタさんからは熱量や思いを、ひしひしと感じました。
解像度の高さは、会場でいただくいろいろな質問が、いずれも核心を突いている。ただ候補者の方を右から左に紹介するのではなく、ビジネスをしっかり理解した上で、そこにフィット感のある、双方がWin-Winになる人材をご紹介したいという並々ならぬ思いが伝わってきました。
累計20名支援。キーパーソン、重要ポジションのスペシャリストを次々と
—— これまでに、どのような方をご支援できましたか。キーになる方もいらっしゃいますか。
清水:これまで20名の支援(2022年6月現在)をさせていただきましたが、キーパーソンとなる方は何人もいらっしゃいます。なかでも数人、女性のハイクラスの方をご支援させていただいていることが特徴的かもしれません。上場スタートアップで執行役員をされていた方々で、当然、他社さんからもさまざまなお声がけがあるなかで、ユニファさんにほれ込んで「是非に」と言ってくださいました。それだけユニファさんのビジネスが稀有なものだからだと思います。
星:強調したいのは、ポジションやタイトルだけではないということ。ポジションや部署も関係なく、フォースタさんには、会社のコアとなる人材ばかりをご紹介していただいています。たとえば私のいる経営企画にご紹介いただいた若手の人材も、今は役職がついているわけではないのですが、ユニファに絶対に必要なキーパーソンの1人です。
土岐:わかりやすいキーパーソンの一例では、カスタマーサクセス部署を立ち上げる際に、ピンポイントに適任の方をご支援いただきました。
この1年で、ユニファは100人から200人規模の会社になり、プロダクトも大きく変化しました。そのなかでカスタマーサクセスの立ち上げは、今後のビジネスの肝になる戦略でした。必ずしもITリテラシーが高いわけではない保育の現場の皆様と、テックタッチを活用しながらプロジェクトを成功に導くという点で、非常に重要だったのです。でも、当社にはカスタマーサクセスのディープな経験を持つ人材はいません。そのときに、toCの有名なサービスでカスタマーサクセスを担ってこられた人材を紹介していただきました。今、大活躍しています。
このような事業がスケールするタイミングでは、多能工も大事ですが、キーとなるピンポイントの人材が絶対に必要です。ご紹介いただき、相思相愛になれたことは本当にありがたかったです。
星:カスタマーサクセスもそうですし、マーケティングもそう。人事を含むコーポレート部門もそうかもしれませんが、急拡大の過程では、専門性の高い人材が必要になります。そのようなスペシャルな経験、スキルに加え、もう1つ、我々が採用において重要だと考えていることは、スタートアップにおける経験です。
スタートアップは、個社によってだいぶ状況も違いますが、会社の変化の速度も含めてやはり独特なステージだと思います。もちろん私のように、大企業からいきなりスタートアップに来る人もいます。変化の早い環境に耐性があるのであれば全く問題ないことは前提に、スタートアップを一度、経験しているかどうかで、業務や組織への解像度が随分と上がり、ご本人も早期に力を発揮しやすい面はあると思います。その点、今、土岐が挙げたカスタマーサクセスの人材は、スタートアップもカスタマーサクセスも経験しているという2軸で、絶対に来てほしい人材でした。
フォースタさんの場合は、当社にフィットしている人材をさまざまな分野でご紹介してくださるので、非常にありがたいと思っています。それができるのは、日頃から密にコミュニケーションを取っているから。あの後、勉強会は何度も実施していますし、僕と清水さんは、少なくとも2週間に1回は連絡をとっています。
清水:毎日、連絡をとっていることもありますね(笑)。
星:はい。パートナーとしてそれくらい密に。僕は、エージェントさんはイコールパートナーだと思っています。だから、僕らに足りないことは指摘してもらうし、僕からも「可能なら、もっとこうすることは出来ないか」、「少し目線がズレているので修正しましょう」など積極的にコミュニケーションをとらせて頂きます。このような信頼関係に基づく密なコミュニケーションで、お互いの解像度はどんどん上がってきています。
フォースタさんにはこれまでに20名支援してもらっていますが、最近ググっと増えています。それも重要なポジションで次々と。解像度が上がり、当社に共感してくれるヒューマンキャピタリストの方が増えているからこそ、実現できているのだと思います。
コミュニケーションと相互理解の賜物。内定率が高いフォースタの候補者
—— フォースタ側は、人材をお引き合わせするにあたって、どのような点を意識していますか。
清水:候補者の方々は、まず、私たちに相談してくださる時点で成長意欲があるはずなので、その上で、利他の気持ちが大きい方。ユニファさんの事業や思いに共感し、この大きな社会課題の解決に自分の人生を賭けたいと思ってくださる方をご紹介しています。しかし、想いだけでは難しいところで、優秀な方々が集まるユニファさんの組織には、やはりスキルやご経験の面でも高い方が必要です。さらに、やはりスタートアップなので、一定の胆力の持ち主であることも重視しています。
—— ほかのエージェントとの違いや、フォースタ経由で来る方の特徴などはありますか。
星:定量面と定性面の両方で違いがあります。定量面はわかりやすくて、内定率が高い。統計をとっているのですが、他社さん経由でご紹介いただいた方よりも、フォースタさん経由の方のほうが高いですね。定性面では、熱量の高い人が多い。そもそもフォースタさんの熱量が高く、その方たちが紹介してくださるので、熱量、高いです(笑)。
土岐:それはありますね。大事です。
星:我々としては、できるだけ多くの候補者の方にお会いしたいのですが、スタートアップとしてどうしてもリソースに限界があります。あえて悪いケースをお話すると、なかには履歴書上では何となくフィットしそうな方を全員送ってきて、紹介数だけはすごく多いものの、内定まで殆ど届かないというエージェントさんもあります。フォースタさんは対照的で、こちらのことを考えて事前のスクリーニングしてくれるので、定性、定量の両面で効果があるのではと思っています。
清水:いろいろとコミュニケーションをするなかで、お互いを理解しているからでしょうね。勉強会も1回だけでなく、ベンチャーキャピタルさんとの合同の勉強会や、ユニファさんの現場の方々との勉強会など、さまざまな場でご一緒してきました。全社総会にも呼んでいただきましたし、私だけではなく多くのヒューマンキャピタリストがユニファさんとの接点を持っています。
星:フォースタさんの主催だけでなく、我々サイドからも、全社総会やファイナンスの記者会見にお呼びしたり、オフィスに来てもらってフォースタさん経由で入社した方と再度交流してもらったり、さまざまなことをしてきました。我々はフェアなパートナーなので、呼ばれて出向いて「理解してくれ」と言うのはおこがましい。こちらからもアクションを起こすことが大事だと思っていて、理解いただくためのさまざまな機会やコンテンツを意識してつくってきました。
というのも、フォースタさんも当然ながらリソースが限られるなかで、どのスタートアップを支援するか、選ばざるを得ないと思います。何千社とスタートアップがあるなかでご支援いただくには、我々もアピールしていかなくてはいけません。
フォースタさんは、担当の清水さん以外のヒューマンキャピタリストの方々からも、役員の方々からも私に直接連絡をもらうことがあります。それも嬉しくて、それだけ熱量を持ってやっていただいていることを非常にありがたく思っています。感謝祭のときも、次々と皆さんがご挨拶に来てくれました。逆に来てもらえないようだと、我々が力不足で、魅力を伝えられていないということだと思います。
保育から子育て、家族へ。官学民が連携し国づくりの発想でチャレンジ
—— 今後の展望も教えてください。
土岐:保育の課題というと、長らく待機児童の問題が注目されていましたが、コロナ禍によって少子化がより加速し、保育施設が保育者や保護者、地域の中で選ばれる園創りをする重要性が高まっている時代に入ってきています。求められているのは、保育現場の支援だけではなく、園の経営です。例えば延長保育の時間に英会話、ダンスなどのさまざまな体験ができるようにするなど、園の経営が進化しようとしており、それに伴って我々のプロダクトやソリューションもどんどん進化させていくというのが、今後の展望です。
園の経営をより深く理解しながら、提案やカスタマーサクセス業務を行い、その成果をまた新たなプロダクトにつなげていきます。改めて、我々のパーパスへの共感に加え、実力のある方、事業共感と事業遂行を高い次元で両立できる方と一緒に戦いたいと思います。
既に『ルクミーフォト』など、園の保護者向けサービスもスタートしています。習い事支援、体験支援のほか、知育や健康といった家庭の育児支援も視野に入れると、もはや保育施設支援ではなく、子育て産業支援と言えるかもしれません。となると、例えばおむつや離乳食、教育といったさまざまなメーカーとも協業しながら、我々しか持っていないデータも活用し、お子さん一人ひとりに合った保育、教育、ライフスタイル支援を行うような事業へと進化していきます。社会へのインパクトも大きく変わってくるでしょう。
国の動きに目を転じると、今まさにこども家庭庁が立ち上がろうとしており、デジタル化に関わるさまざまな動きも、子どもに焦点を当てて動き始めている手応えがあります。官民学の連携です。我々は、既に約50以上の自治体で、保育施設向けに『ルクミー』を導入しており、厚生労働省や内閣府、文部科学省などのキーになる政治家や官僚とも話をしています。政策と連動し、国づくりをする発想で何ができるか。我々は非常に意味のある挑戦をしていると思います。
清水:私も子を持つ親として、本当に意義深いことをされていると思います。
星さんもよく、社会において、『仕事と育児が当たり前のように両立できることが大事』だとおっしゃっています。私も、自分の人生は自分しか生きてくれない、だから自分が精一杯生きるべきだと考えています。子どもにも、子どもの人生があると思っています。
ユニファのソリューションが普及することで、教育に携われる方が増え、教育の質が良い競争の中で上がって行き、情操教育がより普及していくだろうと考えています。社会の最小構成単位は人です。人を大きく羽ばたけるように、子どもの頃から良さを引き出す教育が必要だと思います。引きつづき、ユニファさんの世界観を一緒につくっていきたいと思います。
—— 目指す世界を実現するために、どのような人材を求めていらっしゃいますか。
星:難しいのですが、想いも、スキルも両面でフィットする方です。面談で気を付けているのは、良いことだけを言わないようにすることです。スタートアップなので、やはりハードシングスが当然あります。外部からはキラキラして見えても、よく例えである白鳥の話と一緒で、水面下ではバタバタと必死に水を掻いている。ユニファもまだまだ未整備な状況だと伝えた上で、その状況を乗り越えられる、よくも悪くもそれを楽しめる人だといいです。
そこを見極めるのは難しいですが、1つは、過去において、逃げずにやりきった経験があるかどうか。スタートアップは、うまくいっているときもあれば、もがいているときも多々あります。何らかの苦境を経験していない人は、1回目の苦境が来たときにすごく辛い。辛いときに逃げずにとどまった経験があって、そのようなタフネス、胆力を持ち、かつ我々が目指すパーパスが点と点でつながる人がいいのではと思います。
土岐:そうですね。基本的にはパーパスに共感し、我々のバリューを実現できるかという軸で見ています。その点は採用のプロセスに組み込んでいますが、やはり最後は、深いレベルで動機を持てるか。なぜユニファなのか、なぜ今なのか、なぜこの仕事なのか――という部分の深さが、非常に重要だと思っています。
なぜなら、我々のパーパスを実現するには道なき道を行くしかないので、生半可な気持ちで来られるとお互いが不幸になってしまうからです。ユニファで挑戦したいという思いは、何らかの形でその方の生い立ち、重要な体験、心の底から持っている人生の夢などと紐づいているはずです。それが何かを見極めながら、我々にとってもその方にとっても、ユニファに入ることがベストなのかを探りながら採用したいですし、入社後も、絶えずそこを問いつづけることが大事だと思っています。
それは結局、経営そのものなのです。お客様に提供する価値の源泉は組織であり、競合が出てきたときに、もっとも真似しづらいのはカルチャーです。その最初のボタンが採用です。そこから全部つながって、事業やエクイティストーリーがあると思うので、深い部分で向き合うことは、ずっとつづけていきたいと思っています。
“No for Startups, No Unifa”、かけがえのないパートナーとして共に歩む
—— 最後に、フォースタへの期待もお願いします。
土岐:フォースタさんの素晴らしいところは、成長産業支援という大きな視点をもって取り組んでいること。そこが、明らかにほかのエージェントさんとは違います。日本のさまざまな問題を解決するには、成長産業の支援が絶対に必要です。その志を持つフォースタさんと、子どもや家族の幸せに関わる部分で、グローバルも目指せる次元で挑戦していくところを一緒にやれたら嬉しいです。
星:よく清水さんにもお伝えしてますが、“No for Startups, No Unifa”。それくらい重要なパートナーです。一般的にパートナーといえば株主、社外の役員、顧客などを指すのでしょうが、そのようなステークホルダーと同様に重要なパートナーの一人と認識しています。今後も、その関係性をより深化させていきたいし、いかねばならないと思っています。
清水:ありがとうございます。3年前には社内認知も取れず、このようにパートナーになれると想像していませんでしたが、そこから今、こんなに社内にユニファさんが大好きだという仲間が増え、ユニファさんからもパートナーと仰っていただけることは感慨深いです。これからもユニファさんが目指す世界を、一緒に創っていきたいです。
土岐、星:ぜひ、これからもよろしくお願いします。